名画は内面を豊かにしてくれる~ロンドン・ナショナル・ギャラリー展~

こんにちは。

東京・吉祥寺にて、50代女性に向け「自分を知り、自分を表現する装いをご提案する自宅サロン」アンドレアを主宰しております、松前恵美子です。


いよいよ、先週6月18日から、東京・上野の国立西洋美術館にて「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」が始まりました。

ロンドンナショナルギャラリー展
※画像に公式HPのリンクを貼っております。

 

本来は、今年の3月3日から6月14日の開催でしたが、コロナ感染拡大の影響で6月18日から10月18日に会期延長となりました。

18日(木)〜21日(日)は、「前売券・招待券限定入場期間」になっていて、前売券および招待券を持っている人のみ入場できる日でしたので、

実質的な一般開放は今日からとなっています。

日本初の「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」は本当に楽しみでした。

なのに、ジワジワやってきたコロナ禍によって、うっかり失念していました。

先日ロンドン在住の長男から「いよいよ始まるよ。本家本元のナショナルギャラリーは7月にやっとオープンだけど(笑)」と、知らせが来て、慌ててチケットを入手しました。

このコロナ禍の中で、あまたの貴重な名画を3か月間保管し、延期にしてでも開催にこぎつけて下さった関係者の皆様のご苦労はいかばかりかと、本当に頭が下がります。

そして、既に行かれた方のレポートを拝読いたしますと、普段の「人の頭越しに背伸びしながらやっとの思いで眺める美術展」とは大きく様相が変わっているようなので、ぜひご紹介したいと思います。

記事の最後には、私が感銘を受けた記事のご紹介と、

美術館では販売しない、独特なチケットの入手方法を紹介している公式ページもご紹介いたします。

お読みいただければ嬉しいです。

※なおこの記事の画像は殆どのものを公式HPからお借りいたしました。

名画との最初の出会いは《ナポレオンの戴冠式》

私がいわゆる「名画」と初めて出会ったのは、ルーヴル美術館でした。

私の少女時代は、「一人娘に音楽を習わせ音大に入れる」ことが人生最大の目標だった母の影響もあり、

土日はピアノやフルートのレッスン三昧で、音楽関係以外の芸術に親しんだ思い出がありません。

父は美術品をこよなく愛する人で、特に絵画や陶磁器の蒐集にも興味があったのですが、一緒に美術館に行った思い出もありません。

唯一覚えているのが、小学生の時、課外学習で国立博物館に「ミイラ」を見に行ったことくらいです(^-^;

なんだか不気味で怖くて、キチンと見なかったことはよく覚えています。

そんな私でしたが、浪人生の夏に、父方の伯母のヨーロッパ旅行に連れて行ってもらえる事になったのです。

スイス~フランス~イタリアを巡るツアーでした。

連れて行ってもらう条件は2つだけ。

  1. ホテルなどガイドさんが付かないところで英語を話すこと。
  2. 荷物を持つこと。

子供のいないバリバリのキャリアウーマンだった伯母ですが、英語は苦手だったようです。

浪人中でしたし、10日以上も楽器に触れない事、母の監視下から出てしまう(笑)ことで、母は嫌そうでしたが、

フルートの先生が「洋楽を学ぶものとしてヨーロッパを見てくると良い。」と、後押しして下さり、晴れて初海外旅行に飛び立ったのでした。

海外旅行

その伯母が特に楽しみにしていたのが、ルーヴル美術館で「モナ・リザ」を鑑賞することでした。

思ったより小さなその絵に、伯母は感激した様子で見入っていたのを覚えています。

そのルーヴルで私が、正真正銘感動したのが、《ナポレオン1世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠》でした。

ナポレオン1世の戴冠式と皇妃ジョゼフィーヌの戴冠

ただただ、スケールの大きさに魂を抜かれたようになりました。

壁一面の絵をゆっくり鑑賞できるように、たしかベンチが置いてあり、しばらく座って眺めたものです。

ほどなく、伯母に急かされて絵から離れましたが、本当はあと1時間くらい見上げていたかったです。

もし叶うなら、もう一度本物を観にいきたいです。

それまでは、音楽にしか触れてこなかった私でしたが、「人の手による絵画」が放つ不思議な魅力に、とても惹かれました。

その後訪れたイタリアでは、

サンピエトロ寺院の数々の彫刻、絵画、なにより壮麗な教会建築やステンドグラスの圧倒的な美しさに魅了され、

しばしば伯母に「恵美ちゃん!!」と現実に引きもどされたものです。

それからは、名画などの美術品が来日するたびに、観にいく習慣が身に付きました。

たいてい一人で行って好きな絵の前で好きなだけ過ごしますが、ここ10年くらいでしょうか、混雑ばかり記憶に残るようになりました。

好きな絵の前で佇むこともままならず、仕方のないこととはいえ残念です。

ロンドンでの経験

時は経ち、長男がロンドンに住むようになり、一昨年、昨年とイギリスを訪ねました。

ロンドンでは、主に大英博物館を鑑賞しましたが、ナショナルギャラリーにも少しだけ立ち寄りました。

蛇足ですが、イギリスでは博物館や美術館は無料です。椅子も沢山配置され、写真を撮るのもほぼほぼ自由です。好きな美術品を鑑賞するには大変贅沢な国です。
ナショナルギャラリーはトラファルガー広場に面していて、イベントなどもよく行われるようです。
私が行った際にも、現代アートっぽいイベントをしていて、なぜだかピカチュウもいました。
トラファルガー広場

このピカチュウ、かったるそうに歩いていたり、だらけて立っていたりするので(笑)日本のゆるキャラの所作を見習ってほしかったです!

美術館の中はこんな感じで、素晴らしくて言葉もありませんでした。

ナショナルギャラリー内観

人々は静かに思い思いに過ごしており、階段に座って本を読んでいる人もいました。

長男に聞くところによると、とにかく無料なので、雨宿りや夏の涼、冬の暖をとる人も多いのだとか。

「なんて贅沢!!」と叫びそうになりました。

ナショナルギャラリーで印象に残ったのは、ターナーの絵です。

ターナー

これは私が撮りました。壁紙とのコントラストも美しかったです。


ちなみにこちらは大英博物館です。

入ってすぐに展示している「ロゼッタストーン」はさすがに人気で、常に人だかりが絶えることはありませんでした。

大英博物館

ロゼッタストーン

ロンドン・ナショナル・ギャラリー展 私的見どころ

さて、前置きが長くなりましたが(^-^;

そのナショナルギャラリーが、世界で初めて館外で大規模な所蔵作品展を開くのが今回の展覧会です。

61作品、すべてが初来日。レンブラント、ヴァン・ダイク、エル・グレコ、ベラスケス、ゴヤ、フェルメール、セザンヌ、モネ、ルノワール、ドガ、ゴーギャン、ゴッホ…。

そして、これらの作品を「混雑を避けて」鑑賞することが出来るのです。

混雑を避けての鑑賞。これが最大の私的見どころポイントです。

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、東京都は感染者数が多く、公共施設では「3密」を避けることが絶対となっています。

今回の展覧会も、混雑緩和のため入場券は日時指定制を導入しています。

人の密な列を避けるため、西洋美術館現地での入場券の販売は行いません。

これから展覧会に行く場合は、必ず来場前に「日時指定入場券」を購入する必要があるのです。

既に行ってらした方のブログなどを拝見していると、驚くほど少ない人数設定のようです。

採算度外視だ、と書いておられた方もいらっしゃいました。

つまり、東京の美術館では当たり前の「人の頭越しに背伸びしながらやっとの思いで眺める美術展」ではないのです。

これは行くしかない!

というわけで、某日朝一番に入場できるチケットを、スマチケで購入できました。

なお、購入の仕方も少し変わっているので、この記事の最後に公式ページをご紹介しています。

ご興味のある方はご覧ください。


好きな絵は、と聞かれれば今回沢山あり過ぎるのですが、やはり目玉であるこの「ひまわり」は外せないと思います。

数年前に「ゴッホとゴーギャン展」を都美術館に観に行ったのですが、作品そのものよりも、

ゴッホとゴーギャンの関係性の解説文に気持ちが持っていかれ、特にゴッホが精神を病んでしまったあたりから、絵を観るのが辛くて仕方なくなったのを覚えています。

ただただ才能ある芸術家と、共同生活を行いながら制作活動をしたかったゴッホ。

南仏アルルに移り住み、共に切磋琢磨したい画家たちに手紙を送るも、この誘いに応じたのはゴーギャンただ一人でした。

ゴーギャンがゴッホの呼びかけに応じたのは、当時全く絵が売れず、ゴッホの弟で画商のテオからの金銭的援助を得たいという打算もあったようです。

そうとは知らず、ゴッホは尊敬するゴーギャンのために、ひまわりの絵で部屋を飾ったのです。

その後のゴッホの破綻と、ゴッホの死後ゴーギャンが描いた『肘掛け椅子のひまわり』を観た時は、胸がいっぱいになりました。

大混雑の都美術館でしたが、さすがに皆さんその絵の前では言葉少なだったのが印象的でした。

以下に、今回の公式ページの解説を抜粋しましたのでお読みください。

ゴッホ《ひまわり》

ひまわり

1888年夏、ゴッホが南仏アルルにて共同生活を送る畏友ポール・ゴーギャンの寝室を飾るために描いた作品。
黄色はゴッホにとって幸福の色で、ひまわりの花は、夢であった共同生活に対する忠誠を象徴していたとも考えられます。
新たな環境を得て制作に没頭しようとしたゴッホの超人的なエネルギーが、厚く塗られて画面をうねる黄色の絵具から放射されているようです。

「ひまわりの画家」とも呼ばれるゴッホ。

ゴッホは生涯で7枚、花瓶に生けられたひまわりの絵を描いています。
そのうち、最初に描いた4枚は、ゴッホが芸術家の共同体をつくることを夢見た南仏・アルルで、パリからやってくるポール・ゴーギャンを迎えるために描かれた、「友情の証」ともいえる作品でした。

その後、ゴーガンとの共同生活は約2か月で崩壊。
自らの耳を切り落とす事件を起こし、翌年命を落とすことになります。
しかし、アルル滞在中のこのわずかな間に、ゴッホは数々の傑作を生みだしました。


夢と希望、そして創作意欲にあふれた、アルル時代のゴッホ。
27歳頃にようやく画家を目指すことを決意した画家の、37年という短く、悩み多き人生の中でも特異な時期に、この絵は描かれたのです。

ゴッホがゴーギャンとの生活を夢見て描いた4枚の「ひまわり」のうち、
ゴーギャンの寝室を飾るにふさわしいと自ら認めサインを施したのは、そのうちたった2枚でした。
今回来日する、ロンドン・ナショナル・ギャラリーの作品は、まさにそのうちの1枚です。
4枚のうち最後に書かれたと推定される本作は、背景をそれまでの青から黄色に変えることで、さらに生命力あふれた1枚となっています。

その後、ゴッホは、「ひまわり」の自筆の複製を3枚描きました。
そのいずれもが、本展出品作か、ノイエ・ピナコテーク所蔵作品を元に描かれたものです。

おわりに

コロナ自粛の際、すべての芸術は閉ざされてしまいました。

ホールでの音楽も、演劇も、舞踊も、歌舞伎等芸能も。そして美術館も、博物館も。

それでも、ほどなくしてバーチャルで楽しめる美術館や、YouTube配信でのコンサートなどが始まり、

プロの皆さんが創意工夫を凝らされて、私達に芸術の素晴らしさを伝え続けて下さっています。

それでも、昨日のNHK「クラシック音楽館」という番組で、日本フィルハーモニー管弦楽団とサントリーホールの方々のご尽力で、弦楽アンサンブルの無観客コンサートを開催したエピソード。

仙台フィルハーモニー管弦楽団の方(バイオリン・チェロ・ピアノ)が、小ホールにお客様を入れてのコンサートを開催したエピソードを紹介していて、心打たれるものがありました。

人の手によって生み出される芸術は、人の心に訴える力があり、内面を耕し豊かにしてくれるものだと私は思っています。

何歳になっても、芸術に感動し、柔らかい心を持つ人でいたいものです。

コロナの時代だからこそ、リアルな芸術に触れる喜びを味わうことも必要なのではないかと考えます。


バーシャルに慣れていかなくてはいけない、この「WITH コロナ」の時代。

でもだからこそ、空間を共有することがどれだけ素晴らしいことだったか、貴重な体験だったかが、より一層強く蘇ってきて懐かしく感じます。

私のサロンでも、来るであろうコロナ第二波に備え、オンラインでのサービスご提供のため新しい準備に取り組む日々。

リアルなお客様との時間が、どれだけ素晴らしい時間なのか知っている身にとっては、

オンラインレッスンの内容を練り上げることは、全く異次元のことなので途惑いもございます。

それでも進まなくてはいけない。

進むことを選ぶのであれば、嫌々歩みを進めるのではなく、

新しい時代を楽しみながら、今後の人生を歩いていきたい、とも思います。

そのような途惑いや葛藤の日々を経て、名画の数々にリアルで対峙できたなら、どんな感情が湧きあがってくるのだろう。

きっと涙が流れるだろう…、そんな風に感じていて、今から美術展に行く日が楽しみで仕方ありません。

 

お読みいただきありがとうございました。

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